米IDCは,無線の利用パターンに関する調査結果を米国時間9月10日に発表した。その結果,家庭における無線LAN(Wi-Fi)の普及は,職場を上回ることが明らかになった。家庭で無線アクセスを持つ従業員が増加し,職場にも無線LANアクセス・ポイントを求める声が高まるという。

 同調査は,2500人を越えるMobile Advisory Councilメンバーを対象にしている。回答者の34%が家庭で無線LANを利用していることが明らかになった。これに対し,職場での利用者は27%に留まった。

 「景気が思わしくないため,多くの企業における無線LAN配備の優先順位は低い。しかし,無線アクセス・ポイントの価格低下により,家庭における無線LANの利用が伸びている」(同社Personal Technologies and Services部門副社長のRandy Giusto氏)

 同氏によれば,職場での普及はまだ低いが,手頃な無線対応コンピューティング・デバイスの普及,低価格な無線家庭ネットワーキング・ソリューション,無線LANアクセス・ポイントの増加により無線の利用が促進されている。

 また,モバイル・ワーカーの電子フォームによる通信の需要が高まっており,職場にWi-Fiアクセスを持たないモバイル・ワーカーも,出先で公衆無線LANアクセスを利用する機会が増えているという。

 その他の主な結果は次の通り。

・家庭において友人また家族と無線LANを共有するため,個人利用を目的とした無線LANアクセス・ポイントが増加している。

・公衆無線LANアクセスに対する興味も依然として高いが,ユーザーが望む利用料と支払い方法はさまざま。

・モバイル・ユーザーにとってもっとも利用頻度が高い無線LANアクセス・ポイントは,ホテル,空港といった旅行先の主要ロケーション,コーヒー・ショップだった。日常的な利用頻度が最も高いのは大学だった。接続デバイスとしては,ラップトップが主流。

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